手鳥足鳥

興味を持った事を、手さぐりに、テトリアシトリ、書きます。

伝説のトーク番組 NHKEテレ「ねほりんぱほりん」が、凄い。 ニンゲンっておもしろい。

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暴露トーク物のバラエティは昔からありますが、

下世話なこととは無縁そうなNHKが、

民放よりえげつなく、

そして面白い番組を作り出してしまいました。

その名もねほりんぱほりん

 

www4.nhk.or.jp

様々な人生の裏側を モザイクや板を使わず、声に合わせてぬいぐるみを動かします。

 どんなにエグくても、ぬいぐるみだから大丈夫...だと思いきや、

 ぬいぐるみだからこそどこまでもえぐいところを描写できてしまう為、

深い闇まで切り込んでいます。

NHKの蓄積された人形劇のノウハウを 

 また、美術やぬいぐるみの造形や小道具の細かさも、朝ドラかな?と思うほど細部まで遊び心にあふれており、凝っています。

 

 ──保育士さんの回で、ブタさんが自分の給与明細を見てびっくりするくだりも絶妙でしたよね。
山里 絶妙。本当に、NHKさんが数十年かけて培った技術を活かして。
YOU 大ベテランさんなんだって。
山里 一番長くてキャリア50年くらいの方もいらっしゃるそうですよ。だから、「NHKの技術の最高の無駄遣い」って言われてます。
―ーブハハハハ!
YOU 音声を消してご覧ください!
山里 そうしたら、子どもたちも楽しめますから。
YOU 「ブタさん、かわいいなぁ~」って。
山里 子どもには、音声を消して。
YOU 大人の方は、両方で観ていただいて。

(「ねほりんぱほりん山里亮太&YOUに聞く「プライベートでもモグラになってお互いを掘り合ってる」エキサイトレビュー 2016年12月28日)

  

また、この番組の魅力の一つとして、

番組のMCでもあるYOUさんと山里さんのトークの天才的なバランスです。 

 

 ──今、「たまにはケンカしたい」と伺いましたが、収録を実際に見学させていただいた印象としてはお二方のお喋りがすごく優しく聞こえました。
山里 あっ、マジすか?
──お二方は、決して上から目線でお話をされていないので。
YOU それよりも、上から行けないっていうね(笑)。
山里 そうなんですよね。意識してるわけじゃないです。
YOU 普通に出ちゃうやつです、農民なんで(笑)。上から行き方がわからない。アハハハハハ!
山里 ずーっと下からやってきましたんで。
YOU 上を見て行くのが好きなんで(笑)。
──でも、生で観てみるとすごく優しい喋り方をされているという印象でしたよ。
山里 ほぉ~。
YOU はぁ~。
山里 得しましたね、YOUさん。
YOU 得しましたね。
山里 実は文字にしてみると、結構えげつないセリフになってるはずですよ。
YOU そうなんすよ。

(『「ねほりんぱほりん」は攻めてるEテレトップランナー。中の人・山里亮太とYOUをざくざく掘ってきた』エキサイトレビュー 2016年12月27日)

 

また、番組ブログやtwitterの力の入れようにスタッフの狂気を感じる熱意が感じられます。

www.nhk.or.jp

  

また、2人のMCの凄いところは、

 ゲスト本人でさえ気が付かなかった、

本質にある「人間の面白さ」を引きずり出す所です。

社会ではアウトとかそういうことを飛び越えて、

色々な人生が世の中にはあるのだなあと考えてしまいます。

人間賛歌がこの番組の根底にあるのかなと思います。しゃべるのはブタですが... 

 

罵倒し合いたいんだけど、結局は理解できてしまえる

──番組ではスレスレな人、例えば元麻薬中毒者とかプロ彼女とか訳ありな人が登場しています。どうしてもネガティブな先入観を持ってしまいがちだと思うんですが、いざ直接お話を聞いてみると「あれ、実は意外と……」と、良い方向に印象が変わった回はありましたか?
山里 YOUさん。これ、ちょうどさっき喋ったばっかりでしたねえ? 本当にねえ……それなんですよ!

YOU (うなずいて)本当は、ケンカとかしたいんですよ。…

罵倒したりされたりし合いたいんですけど。
山里 「あんた、間違ってる!」なんて言ったりね。
YOU でも、最終的に「そうなんだ、しょうがないね」みたいな。そんな風に、不思議となりますね。
山里 掘ってくと「それがこういうことを生み出すんだったらしょうがない」というものが根底にあるし、「イヤな奴かと思ってたけどむしろ愛すべき人間だったなあ」という感じになるんですよね。それは、僕らが日和ってるとかじゃなくて。いつも言いますもんね、「もっと怒れる相手連れてきてくださいよ」って。「もっと罵倒したい!」ってくらいなんですけど。
YOU でも結果、そういうことは無いですね。

(『「ねほりんぱほりん」は攻めてるEテレトップランナー。中の人・山里亮太とYOUをざくざく掘ってきた』エキサイトレビュー 2016年12月27日)

 

いつ終わっても不思議じゃない番組だと自覚している

──かなりスレスレな線を行ってる番組なので、楽しく観つつ、問題が起きてトラブルにならないだろうか……という不安もあったりします。山里さんも、元薬物中毒者の回に新聞のラテ欄で「薬物にSAY NO」と書いてあったのがヒヤヒヤしたとラジオでおっしゃっていました。お二人自身、この番組はスレスレの道を歩いているという自覚はありますか?
山里 う~ん……、YOUさんあります?
YOU ううん。編集もあるし。
──なるほど。
山里 ブタとモグラになってるから、「自分じゃない」という気持ちが働いて皆さん色々言ってくれます。だから、ライターさんがおっしゃったことを僕らも思ってますからね。「終わる時は突然だろうな」と。

(中略)

人の深いところ、本質に入っていくと、結果的にギリギリな話になっていく。登場してくれる方も、ギリギリなところを話してくれる。スタッフも、すごく一生懸命調べてくれたり探してくれたりしてくれてます。
YOU 大変だと思いますよ、取材とか。
山里 ムッチャクチャしっかり取材してくれてますもんね。
YOU うん

(『「ねほりんぱほりん」は攻めてるEテレトップランナー。中の人・山里亮太とYOUをざくざく掘ってきた』エキサイトレビュー 2016年12月27日)

 
NHK制作局青少年・教育番組部に在籍し、『ねほりんぱほりん』のチーフプロデューサーでもある大古滋久氏は、以下のように解説する。

「ドギツい話もどこか優しく聞こえたり、まるで顔出しアリで喋ってるように見えてくるんですね。その秘密は、人形を操ってる方の“技”にあると思うんです。一体に2人の方が付いてすごいコンビネーションで、あらゆる動きを気持ちが表れるように操ってくださる。この職人技により、古くは『ひょっこりひょうたん島』や『プリンプリン物語』など、その時代から続く子ども番組の伝統の人形劇が“新しいモザイク”の形になって大人のトーク番組として進化したという感じであります」

「ゲストに色んな形でツッコんでいくのが、山里亮太さんとYOUさんです。この2人がEテレらしからぬ下世話な質問をガンガン浴びせ、掘って掘って掘りまくっております。そんな中で、人間の面白さや人生の面白さというのが少しでも見えていけばいいなと思っております」

(「ねほりんぱほりん」記者会見)

 

Eテレ3大狂ってる作品『ねほりんはほりん』がぶっ飛んでいる件」


 今、“Eテレ”がちょっとすごいんじゃねーの?という話です。 皆さんの中にも見てる人が多いと思うんですけど、『ねほりんぱほりん』ってご存知でしょうか?

 人形劇みたいな絵面でトークバラエティーやってるんですね。
 この番組の作りはどういうものかって言うと、普通の、いわゆる暴露系トーク番組なんですよ。実際にやってることは。顔を出せない人が出てきて、その業界に関する深い事情を話す。それを山里亮太とYOUがグイグイと根掘り葉掘り聴くので、『ねほりんぱほりん』というタイトルなんですよね。

 ただ、それを普通にスタジオで収録してから、全部、人形劇に落とし変えている所が、この番組の面白さなんですね。インタビュー内で出てくる説明シーンとして“再現ドラマ”みたいなパートがあるんですけど、その再現ドラマも全てこんな感じで人形劇で作られています。

 かなり大きいサイズですけど、これ、“オタ芸”をしている人たちですね。地下アイドルのライブをオタ芸でワーッと盛り上げているシーンを、人形を使ってどうやって撮っているかというと、ブルーバックで人形を持った二人がこうやっていると。それをいくつもいくつも合成して、かなりちゃんと作ったセットの中で動かしているんですね。

 つまり、民放の普通のトーク暴露バラエティーみたいなものと、手間をかける場所が全然違うんですね。民放のこういうトーク暴露バラエティーというのは「いかに過激な話を引き出すか」っていうのと、情報量っていうのかな? 濃い話、濃い話、エグい話、エグい話でもっていくんですけども、ねほりんの場合の面白さは何かっていうと、そういう民放的な「ちょっとでも刺激的な話、えぐい話を」ではないんです。

 いや、話自体は本当にスゴイんですよ。例えば、地下アイドルの回では「アイドルなんて誰でもなれます!」って言った子がいたりして。「家族がライブに毎回10人来ますと言えば、中の下ぐらいのレベルの女の子でもアイドルになれます!」って。こういった話が出てくるんです。

 その話が出た時に山里役のモグラの人形がリアクションするんですけど、この時に、普通のバラエティだったら、出演者の「え?」っという顔だけなんですけども。

 これを一回“人形劇に翻訳”している。全部、音とか絵を撮った後で、もう一回人形に演技させているわけですね。だから、山里モグラが「えーっ!?」っと言ったら、ヘルメットの部分がポンと飛び出るアクションとかも入ってるんですよ。

 すごく、見やすくなっているっていうのかな? 悪意みたいなものが隠されている分、よりそれらが染み出るような感じで、面白くなっているんですね。

 その地下アイドルの女の子が、「このライブに来る10人というのは、家族でも誰でもいい! 別に彼氏でも“セフレ”でもいいんですよ!」って言ったんです。そしたら、思わずそこでYOUがつっこんで、「ちょっとすごい言葉が出てきましたね。セフレですか。そういうふうに聞くと、セフレって言う言葉も、柔軟剤みたいでいいよね」って言う(笑)。

 これね、民放とは過激さのレベルが違うっていうか。教育テレビなんだけども、そういうふうな言葉を出演者が使っちゃったら、カットするのではなく、YOUのこういう機転によって棘を取ってやっていって、最終的な絵面が「可愛い豚が過激なことを言っていて、モグラが驚いている」っていうふうに落とし込んでいる所が、すごく上手いです。

 なんだろうな。これを一回見てしまうとですね、『ヨソで言わんとい亭』みたいな民放の暴露トーク番組が物足りなくなっちゃうんですね。

 つまり、どんなにエグい話をされるよりも、そうではなくて、それで心を動かされる人とか、それを言っちゃった人間がなんでそんなことを話すのかっていう部分についてYOUと山里の話術で徐々に心を開いていく所が面白いんですね。

 やっぱ、YOUの話術がスゴいんですよ。

 YOUの話術って、いっちゃえば、単調なんですよ。ストレート、フック、ストレート、フックの連続で。ストレートとしての「あ、私それ嫌い」、「私それ嫌い」、「わかんない」って言った後、フックとしての「わかる気がする」、「わかる気がする」っていう。

 この連続で、相手の心をほぐしておいて、油断した所で、アッパー。「でも、なんでそうなの?」っていう言葉が出てきてですね、この豚さん達も心を許して話してしまうんですね。

 この手の話で、僕、これまでで、テレビで放送している番組の中で「そこそこ深いな」って思ったのって『マツコ会議』なんですけども。

 『マツコ会議』の中でのマツコデラックスのポジションも、やっぱりYOUと同じで。「それわかんない」とか「私、そういうの嫌ーい」と言いいながら、「わかる気がする」という、この交互なんだけども。

 この『ねほりんぱほりん』でやっていることの方が、流石、教育テレビだけあって、一段上のクオリティーを持っている。

 『にこにこぷん』とか『ハッチポッチステーション』以来の、溜めて溜めて溜め込み続けてきたNHKの人形劇技術の全てが、こんなことをするために使われているっていうのが、めちゃくちゃ格好いいですよ(笑)。

(「20170205岡田斗司夫ゼミ2月5日号」)

 

 

 

ねほりんぱほりん」は2017年春にいったん終了を迎えました。

決して大人の事情や何かトラブルが起こったからというわけではなく、

(実は起こっていたり戦っていたりするのかもしれませんが)

あくまでいったん終了という形だそうで、

視聴者のリクエストで頂いた人への取材はロケは続行しているとの事です。

 

 

 

 

 

そして2017年秋、充分に休息をとって気力を高めたモグラたちが、
また地上に出てきてくれるそうです。
 

私個人の考えではありますが、

ゴールデンにならなくていい、毎週でなくていい、季節ごとの風物詩になってもいい、

このままのスタイルのまま、この番組が、末永く続くことを祈っています。